Knowledge base for genomic medicine in Japanese
掲載日: 2019/10/10更新日: 2020/05/21
神経線維腫症II型
小児・神経疾患
OMIM
MedGen ID
指定難病等
ガイドライン等
なし
要注意の転帰
難聴
神経症状
検査の保険適用
なし
概念・疫学

神経線維腫症II型 (Neurofibromatosis Type 2: NF2) は、両側性に発生する聴神経鞘腫 (前庭神経鞘腫) を主徴とし、その他の神経系腫瘍 (脳及び脊髄神経鞘腫、髄膜腫、脊髄上衣腫) や皮膚病変 (皮下や皮内の末梢神経鞘腫、色素斑)、眼病変 (若年性白内障) を呈する常染色体優性遺伝性疾患である。MRI又はCTで両側聴神経腫瘍 (前庭神経鞘腫) が見つかれば神経線維腫症II型と診断する。また、親・子供・兄弟姉妹のいずれかが神経線維腫症II型の家系では、本人に (1) 片側性の聴神経腫瘍 (前庭神経鞘腫) 又は (2) 神経鞘腫・髄膜腫・神経膠腫・若年性白内障のうちいずれか2種類が存在すれば診断が確定する。

NF2の罹病率は33,000人に1人ということが確定しつつあり、NF2の発症頻度に人種差はない。また日本では、特定疾患に関する2009-2013年の臨床調査個人票では、全国で約800人の登録がみられた。

予後

NF2は、腫瘍があっても何年も無症状で経過することがあるが、特に若年者では腫瘍が成長して、急速に難聴などの神経症状が進行することもある。両側聴神経鞘腫など頭蓋内腫瘍の成長を制御できない場合には、QOLが悪化し、生命の危険も大きい。過去の調査では、5年・10年・20年生存率は各々85%・67%・38%であった。

治療

治療には手術による腫瘍の摘出と定位放射線治療が行われる。聴神経鞘腫については、左右の腫瘍サイズと残存聴力に応じて種々の病状が想定され、各病態に応じた治療方針が要求される。一般に、腫瘍が小さいうちに手術すれば術後顔面神経麻痺の可能性は低く、聴力が温存できる可能性もある。外科手術の他に、ガンマ・ナイフなどの定位放射線手術も小さな腫瘍には有効である。

Genes
Gene symbolOMIMSQM scoring*
Genomics England
PanelApp
PhenotypeVariant information
NF210100010BBNF2 (AD)https://omim.org/allelicVariants/607379
*ClinGen Actionability Working GroupのSemi-quantitative Metric (SQM) scoring、Outcome/Intervention Pairに関する情報は https://clinicalgenome.org/working-groups/actionability/projects-initiatives/actionability-evidence-based-summaries/ を参照。
欧米人での遺伝子頻度

NF2患者において、NF2遺伝子のシークエンス解析と欠失/挿入解析を組み合わせると、孤発症例では72%に、家族性発症例では92%以上に病的バリアントを認めたという報告がある (GeneReviewsより引用)。

日本人での遺伝子頻度

現時点で日本人NF2症例における遺伝子頻度解析に関する原著論文は見当たらないようである。

掲載日: 2019/10/10更新日: 2020/05/21