Knowledge base for genomic medicine in Japanese
掲載日: 2019/10/10更新日: 2020/10/12
オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症
小児・神経疾患
OMIM
MedGen ID
指定難病等
要注意の転帰
昏睡
脳浮腫
検査の保険適用
あり
概念・疫学

尿素サイクルは、主に肝臓においてアンモニアから尿素を産生する経路であり、オルニチン、シトルリン、アルギニノコハク酸、アルギニンの4つのアミノ酸から構成されている。尿素サイクル異常症は尿素合成経路代謝系に先天的な異常があり、高アンモニア血症の症状などで発症する一群の疾患を指し、Nアセチルグルタミン酸合成酵素欠損症、カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、古典型シトルリン血症、アルギニノコハク酸尿症、アルギニン血症が含まれる。オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 (OTC欠損症) は尿素サイクル異常症の中で最も頻度が高く、X連鎖性遺伝性疾患であるが、女性でも、X染色体不活化の偏りの程度によって、無症状から新生児期発症まで様々な病態が存在する。酵素活性測定には肝組織が必要となるため、遺伝学的検査が確定診断に有用である。OTC欠損症の頻度は少なくとも56,000出生あたり1人と推定される。

予後

新生児期発症のOTC欠損症では死亡例が少なくない。OTC欠損症のヘテロ女性においては、長期的には急性増悪をきたし、生命に関わることがある。生命予後や重篤な後遺症は発症時の血中アンモニア最高値やその持続時間と関連している。一時的に著明な高アンモニア血症を呈しても、治療によって速やかに正常化させることができれば、予後が良好な症例もある。

治療

薬物治療によるアンモニアレベルの低下を図る。タンパク異化を抑制するため、ブドウ糖電解質液の十分な輸液を行い、高血糖の際はインスリンを併用する。薬物治療として、アルギニンやシトルリンが使用される。さらに、安息香酸ナトリウムやフェニル酪酸ナトリウムの投与、高アンモニア血症の改善が困難であれば血液透析を行う。また、慢性期の治療では食事療法と薬物・アミノ酸療法が基本になる。

Genes
Gene symbolOMIMSQM scoring*
Genomics England
PanelApp
PhenotypeVariant information
OTC31125010CN/9CN/8CNOTC deficiency (XLR)https://omim.org/allelicVariants/300461
*ClinGen Actionability Working GroupのSemi-quantitative Metric (SQM) scoring、Outcome/Intervention Pairに関する情報は https://clinicalgenome.org/working-groups/actionability/projects-initiatives/actionability-evidence-based-summaries/ を参照。
欧米人での遺伝子頻度

OTC欠損症患者では、OTC遺伝子のシークエンス解析により、60-80%に病的バリアントが同定されるという報告がある (GeneReviewsより引用)。

日本人での遺伝子頻度

現時点で日本人OTC欠損症症例における遺伝子頻度解析に関する原著論文は見当たらないようである。

掲載日: 2019/10/10更新日: 2020/10/12