Knowledge base for genomic medicine in Japanese
掲載日: 2019/10/10更新日: 2020/11/17
ロイス・ディーツ症候群
循環器・内分泌疾患
MedGen ID
指定難病等
ガイドライン等
要注意の転帰
大動脈解離
妊娠時合併症
検査の保険適用
あり
概念・疫学

ロイス・ディーツ症候群 (LDS) はTGFBR遺伝子変異による常染色体優性遺伝形式をとる遺伝性結合組織疾患として新規に提唱された疾患である。大動脈病変を主に、心血管系、骨格系、皮膚他にも特徴的な症状を伴う。大動脈瘤・解離、動脈蛇行などの血管病変は、ほとんどの症例で認められる。罹患者の約75%は、特徴的顔貌 (眼間解離、二分口蓋垂・口蓋裂、頭蓋骨早期癒合症) を呈するLDS1型であり、約25%は特徴的皮膚所見 (ビロード状で透過性の高い皮膚、アザができやすい、広範で萎縮性の瘢痕) を呈するLDS2型である。LDS1型とLDS2型は明確に分類されているわけではなく、臨床像としては一連のものである。臨床所見や家族歴より同疾患が疑われる場合には、遺伝学的検査で診断を確定する。

LDSの有病率は不明であり、民族間あるいは人種間の差、性差については報告されていない。

予後

LDSの自然歴では、若年進行性の広範な動脈瘤 (平均死亡年齢は26.1才) と高率の妊娠時合併症 (周産期死亡、子宮破裂) に注意する必要がある。その他、生命予後に関わる症状としては、脾臓や腸管の自然破裂などがある。

治療

大動脈瘤、慢性大動脈解離に関しては、内科的に降圧剤による血圧コントロールが行われるが、大動脈弁閉鎖不全 (逆流)、急性大動脈解離、解離の予防に関しては、大動脈弁置換術、大動脈置換術などの外科的治療が選択される。口蓋裂、 斜視、頭蓋骨早期癒合に対しては、外科的修復を行い、頸椎不安定症、側彎症、内反足に対しては固定術あるいは整形外科的修復を行う。

欧米人での遺伝子頻度

シークエンス解析または欠失/挿入解析により、LDS患者で病的バリアントが同定される遺伝子頻度は、TGFBR1が20-25%、TGFBR2が55-60%、SMAD3が5-10%、TGFB2が5-10%、TGFB3が1-5%と報告されている (GeneReviewsより引用)。

日本人での遺伝子頻度

現時点で日本人LDS症例における遺伝子頻度解析に関する原著論文は見当たらないようである。

掲載日: 2019/10/10更新日: 2020/11/17