Knowledge base for genomic medicine in Japanese
掲載日: 2019/10/10更新日: 2020/05/20
家族性若年糖尿病 (MODY3)
循環器・内分泌疾患
OMIM
MedGen ID
指定難病等
要注意の転帰
心血管系合併症
検査の保険適用
なし
概念・疫学

家族性若年糖尿病 (Maturity-Onset Diabetes of the Young: MODY) は常染色体優性遺伝形式で発症する若年糖尿病であり (通常25歳以下で発症)、現在までに6種類の原因遺伝子 (MODY1-6) が同定されている。MODYは非肥満のインスリン分泌不全を特徴とし、2型糖尿病でみられるインスリン抵抗性は原則として認めない。病型によって耐糖能異常の重症度は多様であり、糖尿病以外にも、原因遺伝子が発現している種々の組織に関連した様々な臨床像を呈する。MODY3はMODYの中で最も頻度が高く、学校検尿が発見契機となることが多い。生殖細胞系列の遺伝子変異による糖尿病の確定診断は遺伝学的検査による。病型を正しく診断することで、病態にあった治療法を選択し予後を改善できる可能性がある。

MODYの頻度は糖尿病全体の1-3%程度と推定されているが、明確な調査報告はなく日本人における頻度は不明である。6種類の病型は日本人MODY全体の約20%を占めると推定されているが、80%程度の原因遺伝子は未だ不明である。

予後

慢性の高血糖による合併症は2型糖尿病と共通であるが、MODY3では肝臓での脂質代謝異常により心血管イベントのリスクが増大することが示唆されている。

治療

遺伝子異常が原因であるために根治的治療法は存在せず、糖尿病と血管合併症については一般の糖尿病と同様の治療が行われる。MODY3では、スルフォニルウレア剤が有効で少量から開始するのが望ましい。重症例が多くインスリン治療を必要とすることが多いが、経口剤が著効を呈する場合も存在する。

Genes
Gene symbolOMIMSQM scoring*
Genomics England
PanelApp
PhenotypeVariant information
HNF1A60049611CCMODY3 (AD)https://www.omim.org/allelicVariants/142410
*ClinGen Actionability Working GroupのSemi-quantitative Metric (SQM) scoring、Outcome/Intervention Pairに関する情報は https://clinicalgenome.org/working-groups/actionability/projects-initiatives/actionability-evidence-based-summaries/ を参照。
欧米人での遺伝子頻度

MODY疑いの96人の患者を調べたところ、39人 (41%) でMODY関連遺伝子内に病的と考えられるバリアントが同定され、そのうちの15変異がHNF1A遺伝子に認められたという報告がある (Can J Diabetes. 2016. PMID: 27634015)。

日本人での遺伝子頻度

18歳以下発症の非肥満性糖尿病の日本人患者84人においてHNF1A、HNF4A、HNF1Bの遺伝子解析を行ったところ、3人 (4%) にHNF1Aの既知の病的バリアントを認めたという報告 (J Pediatr Endocrinol Metab. 2006. PMID: 16562587)、及び30歳以下発症のインスリン非依存性糖尿病の日本人患者83人においてHNF1A遺伝子解析を行ったところ、7人 (8%) に病的バリアントを認めたという報告がある (Diabetes. 1997. PMID: 9287053)。

掲載日: 2019/10/10更新日: 2020/05/20